『果て遠き丘』[ 春の日 ](一)5 が、恵理子の立つ、川……

が、恵理子の立つ、川一つ隔てたこの道には、いま、車はおろか、人影もない。川に向かって、小ぎれいな住宅の、赤や青の屋根屋根が、途切れ勝ちにひっそりと並んでいるばかりだ。川を境に、静と動の世界がある。それが恵理子の心を惹く。 … 続きを読む 『果て遠き丘』[ 春の日 ](一)5 が、恵理子の立つ、川……